2011年08月26日

国境の匂い

 国境の島

 与那国島に来て10日目になりました。

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 私がこの島を八重山の旅先として選んだのは、やはりここが国境の島という、やきとりの匂いに誘われたごとく、その魅惑な響きを求めての事でした。

 実際、ここで台湾も観えました。思えば近くにもめている尖閣列島もあり、昨今自衛隊の件で全国紙をも賑わしています。それらはすべて、この島が国境の島という所以から発するオーラーからです。

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 日本地図を開くと、与那国島は地図上の左下へはみ出るように端っこにあり、そして、小さな小さな孤島です。 面積は東京の山手線内側の半分弱程度です。

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 (与那国島衛星写真・By Google Earth)

 その位置は他の先島・八重山の石垣島や西表島などの諸島群からも大きく西に外れ、自然・文化的にもけっこう他とは違う趣きを感じさせてくれます。東京を遥かかなたを見、那覇ですら異次元世界です。各地からの距離を示すと・・・

 与那国の位置

台湾(接近部)約111km
石垣 約127km
尖閣列島 約150km
那覇 約540km
東京 約1,900km

 ただ、与那国はただ単にはるか西の絶海に浮かんでいる島ではありません。その位置から他の離島とはまったく異なります。

 この島は、臺灣(Taiwan)を肉眼で観られるほどの国境の島です。防衛もそうでしょう。異国漁船も来るでしょう。異国のゴミも沢山流れてくるでしょう。そのため、普通の離島と国境離島とはその価値と重みがまったく異なることを感じさせます。
 
 多くの日本人にとって国境とは、あまりピンとこない、はるか外国のお話でしょうが、ここ与那国に立つとそうは思えなくしてくれます。異国が観えるという事それだけで、この島が 国境=最前線という現実を身近に感じさせてくれます。
 そして、国の西端に位置する離島という事が決して不利ではなく、むしろ有利であるという認識が近年高まっています。

 よって、よくある離島振興だけでなく、国境離島振興と周辺海洋振興いう考えで発展を考えるべき、という意見が学者を中心に展開されています。

 ○ 日本の国境の現状

 日本には、ロシア、韓国、そして臺灣の陸地が観える国境の大地が存在します。

 まず、対ロシアですが、ご存知のとおり日本とロシアの間には北方領土問題という、今の日本側から見ればほぼ解決不可能な問題があります。

 北海道の根室や知床からは、ロシア占領下である国後をはじめ歯舞の小さな島々があまりにもくっきり観えますが、その観える島の大地は、建前上は異国ではなく自分ところの領土である概念のため、決してその間に流れる海が国境とは考えません。

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 (北海道から観た国後島・自由使用写真から)
 
 よって、ごく一部、本当に一部の政治上の活動を除き、この海を渡る交流は皆無です。そのため、根室海峡沿岸の町にロシアの匂いはまったく感じられません。 
 ロシアに対する住民感情も悪く、多くの漁船が拿捕され、今なお傷が深まる対立の海です。

 もうひとつの対ロシア国境は稚内です。晴れていれば宗谷岬から宗谷海峡を隔てて50km先に樺太(サハリン)が観えます。
 こちらも正式には日本国政府は樺太をロシア領土とはみなしておらず、未帰属地域としていますが、現実を思えばおかしな処理でしょう。

 認めたくはありませんが、今はロシア領土です。

 その間を戦前の稚泊航路のような定期フェリーが就航しており、一応は交流があります。私は近年稚内には行っていませんが、15年前に行ったときは
それでもまったくロシアの匂いは感じませんでした。

 唯一、隣国の空気を感じたのは、長崎県の対馬です。対馬にはハングルの看板もあり、韓国を感じることができます。

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 (対馬内のハングル併記の標識・看板)

 対馬は今、他の過疎の離島と同じように経済がジリ貧状態です。どうしたら活路を見出せるか、模索した結果、対岸50km先に観える韓国からの観光客を誘致することです。

 韓国人にとっても、対馬は北朝鮮を除けば唯一隣国を眺められる島ですし、異国への憧れも手伝って一度は行きたい島として関心が高いようです。

 韓国人観光客にとって魅力なのは、対馬の山(標高4〜5百メートル)のようで、山登り(ハイキング)がお好きな様子。さらに免税を通るので、たばこや酒などの買い物ツアーとしても重宝されているようです。

 よって、対馬と韓国側の利害が一致して以来、韓国側から定期的に航路が開かれ、15年ほど前から観光ツアーが行われるようになりました。個人旅行も出来ます。一時期は年間8万人もの韓国人観光客が訪れ、対馬の商店や民宿にお金を落としてくれました。

 しかしながら、竹島問題にリンクされ、韓国人による不動産取得や自衛隊基地へのスパイ疑惑など、対馬が韓国人に占有される、という一部右翼系の主張が大きくなり、厄介な問題になりました。

 そのため、近年韓国側からこうした対馬進出ムードは衰え、不動産も手放し、さらには定期船も減便され、日本側のこうした保守化の動きは逆に韓国人から脅威の目で観られています。

 確かに、韓国人観光客のマナーはいい話を聞きません。対馬の人々の対韓イメージも真っ二つに割れ、交流の光と影が対馬の場合色濃く出ています。
 
 では、日本人観光客でどれだけ対馬を訪れるのでしょうか。韓国側の対馬不動産買収は、日本人がハワイやニューヨークの土地を買うのと何が違うのでしょうか。

 韓国側に悪意の買収があれば問題ですが、別荘の土地の購入と国防に影響する買収とを法律で分けて規制する事が重要かと思います。それと、韓国漁船の日本領海での取り締まりをしなければ、対馬内ですらどんどん対韓イメージが悪くなるので、こちらも解決させる必要があると思います。

 以上が日本の三箇所の国境情勢を短くまとめました。

 ☆ では与那国は?

 与那国はどうでしょうか。はっきり言って、隣国(臺灣)の匂いはほとんど感じられません。
 その理由は、戦後65年間、この海は開かれていなかったからです (訂正:厳密には、米国施政下の時代、密貿易という形で交流は存在していました)。定期船も就航しておらず、現在のところ、両国の交流は政治政策上の不定期交流だけに留まっています。

 私は多くの外国の国境を訪れましたが、多くの国境は、少なくても相手国の匂い(民族や言葉、文化、経済など)を多く感じました。もちろん、仲が悪い国同士は例外です。

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 (与那国島の民族資料館にある、戦前台湾から持ち帰った『MADE IN OCCUPIED JAPAN』の皿)
 
 日本の国境は、海が挟まるため国境である事を忘れるほど相手国の気配を感じさせてくれません。しかし対馬は、歴史的背景もあって朝鮮文化がけっこうあり、街にもハングル文字の看板が観られ、異国の感触があるのですが、住民のほとんどは韓国語は分かりませんし、両替所もありません。

 それらを思うと、日本はまだまだガードの固い保守的な島国なんだなぁ〜と思うのです。

 ☆ 与那国の挑戦

 与那国中心のこの地図で観れば・・・。

 与那国位置.jpg
 
 臺灣や大陸、フィリピン、香港などと日本本土が等距離にあるのが分かります。

 これらの日本側玄関口として与那国が生かされれば、観光だけでなく経済なども活路が大きく開けるでしょう。

 しかし現実は厳しいものです。何せ与那国だけの問題ではなくなりますので国からの支援が必要です。しかし、国は実績を積まないと支援の検討すらしない方針です。

 そこで、臺灣との交流を推進している与那国町議会議員の田里 千代基(タサト チヨキ)さんにいろいろお尋ねしました。

 次回はその点からこの島について書きます。

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posted by kazunn2005 at 01:10| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅行
この記事へのコメント
この記事を書いたあなたは中国人でしょ。
文が若干おかしいからね



Posted by at 2021年01月23日 16:08
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