思えば、論文やレポートをせっせと書き上げている頃の暑い最中でした。それは8月の終わり、そろそろタイへの旅を画策し始めたころ、集中力を割いてはチャットやメールの返事に精を出している自分の姿がありました。
もはやバンコクで観光などいまさらしても仕方がない私は、インターネットでタイの友人作りに精を出し、何とか知り合った3人のタイ人の友人たちとコミュニケーションを取ることに成功しました。お互い英語が出来るので話が滑らかに進んでいきます。
印象としては、タイ人はどうやら日本が大好きな人が多いようです。AKBやジャニーズの嵐、そして原宿やシブヤにあこがれている子が多く、日本へ旅行に行きたくてしょうがない感じが伝わってきます。そんなに良いかな〜、日本?、いろいろやり取りしていると、先方の対日観が徐々にわかってきます。さあ、次は出会いの日への手続きにワンステップ進みます。
と、いうことで、今回の旅の前半は『タイ人の友人たちと一緒に遊んで交流を深めよう〜』、というのが今回のスタンスとなりました。
さあ、タイ入国の日を迎えます。
ところで、5年前と大きく異なる点として、通信事情があります。
私が汽笛街道のユーラシア一周をした際の2000年一桁時代は、インターネットを通じて電子メールで本国の友人たちとやり取りする事がとっても画期的な瞬間でした。その後、街中にインターネットカフェがポンポンと芽が生えてはあっという間に雑草のごとく乱立したのを覚えています。
そして、ニホンゴも打てる端末も豊富にお目にかかれるようになり、旅をしながら随時外の世界と交信することが普通になりました。
ところが、今回バンコク中心部のスクンビット通りを歩いてみると、すっかりインターネットカフェが少なくなっている事に気づきます。あるのは旅行者が溢れる観光客相手の歓楽街や宿屋街くらいです。
なぜならば、タイにおける携帯電話の普及率が関係しているからでした。いまやパソコンから携帯、そして個人が普通に一人一台携帯とパソコンを持つ時代となったバンコク市民。当然、それまでのお客だった『携帯・パソコンを持たない通信難民』が少なくなったからです。
今回の私のバンコクの旅は、この通信事情との戦いから幕を開けました。
日本から持ってきたスマートフォンは、特別なバカ高い料金を払わない限り使い物になりません。唯一、WI-FIが使えるところに逃げ込んではニッポンスマフォでいちいち文字で返信したりするのは難儀なことこのうえない。
電話も、ストリートの公衆電話の多くはぶち壊されているものばかり。
コインを入れても通話はできないどころか、コインが戻ってこない可能性もあるシロモノに頭を抱えて、土砂降りの下、「こんなの我慢できない!」と叫ぶ始末。
そこで、ついにやってしまいました。それは、当地バンコクの携帯電話を手に入れたのです。
携帯代が800B、SIMカードが200B、その他100、飾り物100Bで、計1200B(約3100円)です。市内約60分間通話可能で、これが高いかどうかはその後の費用対効果で検証しなければなりません。全部タイ語で何がなんだかわからずかなり苦労しましたが。。。
(みんなタイ語、英語すらありません)
(`左〜がサムスン製のバンコク用携帯電話)
さあ、友人に電話をします。
「ハーイ、カズンだよ!」
「カズン?ホントニ カズン ナノ?電話、テニイレタノ?」
「うん、君とお話したいために」
「アリガトウ。デモ キョウハ イソガシイカラ ゲツヨウビ 二 アイマセンカ?」
「オブ コース!」
てな具合で、今まで文字でタラタラやり合っていたのが一瞬で会話が成立。これほど電話のありがたさを身にしみたことはないです。日本の携帯電話は、いったん外に出てしまうとなかなか使えない、使えたとしても莫大な金額がかかるため、あっという間に通信難民になります。
中国や韓国の携帯は問題ないのに、日本という国の特殊な異様さを感じます。
バンコクは今日も重そうな空です。雨季のため、カラッと晴れる瞬間はなかなかやってこず、いつも上を眺めては、滴の嵐が落ちてこないか心配しながら歩いています。すると、‘どおお〜!`と言いながらあまりにも激しいぶっ太い雨がたたきつけてきます。
5年前と今と比べて、私が感じるバンコクとはそんなに変わっていません。ただ、食料品や遊びの物価がけっこう上げっていることと、公共交通網がかな整ってきた感じがします。
今、バンコク中心部には、MRTという日本の経済援助で建設された地下鉄と、高架式鉄道・BTS、そして空港連絡鉄道(Suvarnnabhumi Aieport Rail Link)があります。道路渋滞は相変わらずなのでとても重宝します。
(地下鉄MRT)
(高架式鉄道BTS)
地下鉄とBTSは5年前と比べてかなり路線長が長くなりましたし、朝・夕の通勤時間帯は以前よりも増して混雑が激しくなった感があります。
(混雑する車内)
(道路渋滞とBTS)
一方、前回、空港からのエアポートリンク(空港連絡鉄道)に触れた際、今までの国鉄在来線の様子を書きましたが、写真で観るとこんな感じで相変わらずです。
しばらくしたらタイ国鉄にも乗ると思いますので、そのときに詳しく書きます。ちなみにこのような鉄道式の交通機関は本当にバンコク中心部だけで、ちょっと郊外に行くにはまだまだバスかタクシーしかありません。
次回は、タイの友人たちとの語らいや、夜の部を書くつもりですので、夜の部においては切り離してご報告申し上げ奉ります。