
さよならクロちゃん


去る平成24年4月4日、わが愛猫クロ(本名チコ)は静かに天寿をまっとういたしました。平成と共に享年23(推定)、誰もいない居間のコタツの外で倒れて衰弱死していたのを仕事から帰ってきた父が発見したのが最後でした。


(クロのなきがら)
亡骸は瞳孔が見開いてしまい、かわいそうでした。しかし、最後まで頭と尻尾の毛は綺麗でした。

(きれいなしっぽ)
4月2日に、最後の診察を受けた際には、病気ではないため手の施しようもなく、先生もお手上げ状態でしたので、点滴を打り、最後のあいさつをし帰って来ました。

(最後の診察)
点滴のおかげでその日は歩く事もできましたが、翌日からは再び衰弱が激しくなり、ついには強引に水をあげようとしても飲み込む力がなくなってしまいました。
死ぬ1ヶ月前から、私がクロに薬やら食べ物やらを強引に口に含ませる役目を負い、そんな日々でしたので、クロにとっては「何てひどい事をする男なんだ」と映ったかもしれません。居間に居ても私の膝の上には着ませんでした。

(衰弱していったクロ)
この私のプログでは時々クロのことを書きました。一他人の飼い猫に過ぎないのに、数名の方々からクロへの励ましや書き込みを頂き、私も嬉しかったです。ありがとうございました。
http://kitekikaido.sblo.jp/article/41087400.html クロは23歳でした。しかしこれは推定であり、実際はもっとプラスαかもしれません。というのは、平成2年時にわが家に飛び込んできた当時は、すでに毛がふさふさしていたツヤツヤの若ネコでして、どこかで手入れされていた爪の切り跡があったのです。おそらく近所で捨てられたか、もしくは脱走してきたか、の可能性が高く、まあ、仮にその元飼い主がいるのならば、今の今までクロが生きていた何て想像できないでしょうね。
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(家に着たばかりのころのクロ)
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(すでに我が家にはチビタという齢下のオスネコがいた)
迷い込んできた時、すでに我が家には『チビタ』というオスネコの子猫がすでに居を陣取っていて、家の中で喧嘩をおっぱじめる事態に。

(チビタと喧嘩をするクロ)
あまりにも両者不仲なので、彼らが喧嘩したとき母が一回頭を引っぱ叩きました。すると今度は豹変、チビタを弟のように抱き込んでペロペロなめ始めるではありませんか。クロもこの家に住むためにはチビタと仲良くしなければいけない、と悟ったのでしょう。
そんなある日、外庭に外敵が侵入してきました。見慣れない野良猫です。
すると、クロとチビタはスクラムを組んでその野良猫に威嚇をし挑戦しました。飼い猫は基本的に甘ちゃんなので、到底喧嘩で野良猫にはかなうはずもありません。威嚇のうめき声だけは騒がしくも、おしっこは恐怖で漏らしてしまうほどオドオドしていたものです。
そんな日々も今となっては思い出です。チビタが平成15年に15歳で死に、野良猫がすっかり居なくなり、クロにとってここ数年、飼い主である我が家の人間だけが相手をしてくれる日々でした。寂しいものもあったことでしょう。




(家族の一員の日々)
平成21年には神奈川県より長寿ネコとして表彰され、製薬会社のホームページにも載りました。
http://www.animalabo.com/gochouju/all_entries/index.php?t=2&p=3 (の227番)
因みに、ここでは名前が『チコ』となっていますが、改めましてこれが本名です。実は、このネコが我が家に迷いネコとして来た時、まだ名前がありませんでした。そしてこのネコを飼う、と決めたころ、このネコはどうしても外に行きたがり、ノラのオスと遊びほうけ、2,3日帰ってこなかった事が頻繁にありました。

(長寿ネコの表彰状には本名が)
もし子どもでも生んでいたらどうしよう〜、そんなおもいに駆り出され、ついに動物病院で避妊をしようという事になり病院にいきました。
すると、作成するカルテに付ける名前がありません。そこで、いくつか名前の候補として挙がっていあた名『チコ』を瞬間的に採用。つまり、人間で言う戸籍上の名前がその瞬間ここで決まったのでした。
しかし、この『チコ』という名は日常生活では定着せず、黒いのでいつの間にか『クロ』と呼ばれはじめ、ついにはあだ名と本名が並存するカタチで20数年も生きたのでした。
サクラの季節と共にこの世を去ったクロ。飼い始めたペットは最後まで飼わなければいけないというのは常識。しかしこれがけっこう難しいのが世の現実。人間の都合で引越ししたり、経済的に困窮したり、はたまたは『飽きたから』という事情で捨てる人間もいたりと、理由はさまざまですが、捨てる事には変わりがなく、今の人間占拠の社会では、ペットを供給するシステムは豊富だけど、捨てられた犬猫を救う体制は実に脆弱です。神奈川県の江ノ島に行けばその現実がわかります。
そうした現実を思えば、うちのクロが天寿を無事費やし、我が家のほうも何とか最後まで飼えたことに、少し義務を果たした、という安堵もあるかもしれません。ネコや犬は孤独を嫌います。最後は寂しい想いをさせてしまったかもしれませんが、クロが我が家で23年間過ごせた事は幸せであった、と勝手に思うことにし、しばしその精神的ショックを引きずり、時間が経つのを待ちたいと思います。

皆様、本当にありがとうございました。

(あばよ・・・)
posted by kazunn2005 at 01:13|
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